装甲悪鬼村正

□ このゲームこんなゲーム □ 得点
善悪相殺 78点

レビュー

ニトロが10周年記念として作った作品。
この作品は一般的に人気のある勧善懲悪というテーマに対するアンチテーゼ。
ニトロ作品は全部プレイしいるけどこの村正こそがニトロの作りたかったものなんだと思う。
ニトロ作品はスマガや沙耶の唄を除いてハードボイルドだと言われてるけど、その終着点がこの村正なんじゃないかな?
登場人物にはそれぞれ対になるキャラ(影明に対する一蔵、一条に対する香奈枝など)がいて、彼らの邂逅が世界の表裏を表しているように感じた。
また、それぞれの人物の内面にもいろいろな感情が渦巻いて、人間というものが画一の存在でないことがはっきりと認識されておもしろかった。
「世の中に完全な正義はなく、完全な悪もない。あるのはただ、正義と正義のみ」
みたいなことを誰かが作中で言ってた気がするけどまさにこの作品はその言葉につきる。
正義とは何なのか、悪とは何なのかを深く考えさせられた。
お互いが自分の正義のために精一杯生きている姿が他のゲームにはないこのゲーム独特の熱い雰囲気を出しているんだと思う。
なかでも、個人的には特に光の生き様がかっこいいと思った。
実際、言ってることは父親を取り戻すために世界の頂点に立つっていうぶっ飛びどMAXのはずなんだけど、あそこまで真剣に一途に狂ったようにその一念を願っている姿はすごく輝いていて、眩しかった。
09年の名作に確実に残るであろうこの作品にもいくつか不満な点がある。
まず、ゲームが長すぎること。
戦闘時の、圧倒的知識に裏打ちされた描写は確かにおもしろいんだけど少々解説過多だった。
また、ボリュームが多いのはいいんだけど、多すぎて正直ダレた。
シナリオとは関係ないんだけど、超速スキップっていうわりにスキップ速度が速くない。
香奈枝の声の選択を間違った。
まあ、なんだかんだ言って、時間があるならぜひプレイしてほしい良作に仕上がってる。
ちょっと変わったゲームがやりたい人はぜひプレイしてほしい。
自分の中の常識が変わるかもしれないよ。
最後に一言 ごめんなすって!

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